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多系統萎縮症の症状
大脳、小脳、脳幹、脊髄の障害に応じた症状があらわれます。なかでも多系統萎縮症では、小脳の障害に起因した歩行障害から発症することが多いです。
小脳に障害を受けると体幹のバランスをとるのが難しくなるため、千鳥足のようなふらふらとした歩行をみます。両足をそろえた形で起立するのも難しくなります。そのため、体幹のバランスをとりやすくするために足を広げて歩くようになります。
また、しゃべり方にも影響が生じ、ろれつが回りにくくなります。手の障害もみられ、震える、字が書けないなどの症状があらわれます。
脊髄に障害が生じると、自律神経系の症状がみられるようになります。具体的には、尿失禁や頻尿、立ちくらみ、汗をかきにくいなどの症状が挙げられます。
さらに大脳(線条体)・脳幹(黒質)に関連して、パーキンソニズムと呼ばれる症状があらわれます。歩幅が狭くなり、動作が遅くなります。表情も乏しくなり、方向転換時に転倒をしやすくなります。多系統萎縮症では、手足の突っ張りや嚥下障害えんげしょうがいがみられるようになり、数年かけて悪化していくとされます。